日本の施設も参加しているレムデシビルのCompassionate useのまとめがNEJMに掲載されています。
従来治療と比較してとりわけ成績が良いようにも見えませんが貴重なデータです。
N Engl J Med. April 10, 2020
Compassionate Use of Remdesivir for Patients with Severe Covid-19.
- Background: レムデシビルはSARS-CoV2ウィルスに対するin vitro活性が示されている
- Design: Opne labelの前向き観察研究(compassionate use)
- P: 室内気SpO2≤94%または酸素療法が必要なCOVID-19
- E: レムデシビル(初日200mg、その後の9日間100mg、計10日間静注)
- C: なし
- O: Endpoint設定なし。酸素サポート要件、有害事象、血液検査値、臨床的改善率などを評価
結果
- 61人を登録、53人のデータを解析可能だった(7名がデータ不足、1名が投与エラーで除外)
- 40人(75%)が10日間、10人(19%)が5〜9日、3人(6%)が5日未満のレムデシビル投与を受けた
- 発症からレムデシビル投与までの期間は中央値12日(IQR: 9-15)
- ベースラインでは30人 (57%)が人工呼吸器、4人(8%)がECMOだった
- 観察期間中央値は18日(IQR: 12-23)
- 36/53(68%)が酸素サポートが改善、8/53(15%)が悪化
- IPPVでは17/30(57%)が抜管、ECMOでは3/4(75%)が離脱した
- 最終観察時に25/53(47%)が退院、7/53(13%)が死亡
- 死亡はIPPV患者で16/34(18%)、非IPPV患者では1/19(5%)だった
- 28日後における臨床的改善(6段階尺度の2以上改善または生存退院)は84%(95%CI 70-99%)
※6段階尺度 1:非入院, 2:室内気, 3:酸素あり, 4:NHF or NIPPV, 5:IPPV or ECMO, 6:死亡 - 有害事象は肝酵素上昇、下痢、発疹、腎障害、低血圧が多かった
- 重篤な有害事象は12人(23%)に発生し、内訳は多臓器不全症、敗血症性ショック、AKI、低血圧だった
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