話題になっている「南アフリカ変異株が回復期血漿の中和を逃避する」の元になったと思われるPreprint論文をBioRxivで発見しました。
BioRxiv. Posted January 19, 2021.
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.01.18.427166v1
- 回復期血漿のSARS-CoV-2 D614G系統(非変異株)と 501Y.V2変異株に対する力価を評価した
- D614G系統(非変異株)に対する力価は、高力価 (ID50 >400) が50%、低力価 (ID50が25~400)が50%
- 3つのRBD変異(K417N、E484K、N501Y)のみを含むキメラウイルス構築物に対する力価は、高力価23%、低力価50%、活性なし27%
- 501Y.V2変異株に対する力価は、高力価7%、低力価45%、活性なし48%
つまり中和抗体の活性にはN末端ドメイン(NTD)の変異が、より重要なようですが、RBDの変異のみでもかなりの影響があることが示唆されます。
イギリス変異株(B1.1.7系統)よりも南アフリカ変異株(B1.351系統)やブラジル変異株(B1.1.248系統)の方が、ワクチン逃避の観点からは危険な可能性が高いと推定できそうです。
B1.351(501Y.V2)は南アフリカだけではなく、イギリスでも結構検出されてるみたいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿