内容を全部解説すると冗長になるので、重要な点だけサマライズしてご紹介します。
Am J Respir Crit Care Med. 2019 Oct 1;200(7):e45-e67.
- 喀痰グラム染色、血液培養、尿中肺炎球菌・レジオネラ抗原はルーチンで行わない
- 喀痰グラム染色と血液培養は、重症例、MRSA・緑膿菌が疑われる例で検討する
- プロカルシトニンを抗菌薬治療の判断に使用しない
- 軽症肺炎を外来で治療する場合はアモキシシリン単独でも良い
- 入院が必要な肺炎はβラクタム+マクロライドで治療する
- 介護関連肺炎はそれほどMRSAや緑膿菌の関与が多くはないことがわかったため、ルーチンにはカバーしないことを推奨
- 誤嚥性肺炎で嫌気性菌をルーチンにカバーすることは不要
- 市中肺炎では重症であってもステロイドをルーチンに使用することは不要
- インフルエンザ陽性の肺炎では抗菌薬と抗ウィルス薬を併用することを推奨
- 肺炎の抗菌薬は臨床症状が改善するまで、最低5日以上投与する
- 胸部のフォローアップ画像検査はルーチンには行わない
雑感:
グラム染色不要、改善後のX線画像不要など、いかにもアメリカ的な内容で、日本のプラクティスとしては適用しかねるような記載もありますが、nallow spectrumが意識されている箇所も随所にあり、興味深い内容ではあります。
このガイドラインを利用するに当たって最も重要な点として、軽症肺炎の外来処方例にマクロライド単独レジメンの記載がありますが、日本の肺炎球菌のマクロライド耐性は50%を超えているため、マクロライド単独では肺炎を治療できないことに注意が必要です。
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