MDA5陽性CADM-IPに対するトファシチニブの効果を検証したOne arm studyを読んでみました。短いLetterですが、とても興味深いです。
N Engl J Med. 2019 Jul 18;381(3):291-293.
デザイン:前向き介入 One arm、Histrycal controlと成績を比較
P: MDA5抗体陽性CADM-IP(除外基準:FVC<50%、Overlap、癌、感染症、LFT>2ULN)
E: トファシチニブ5mg 1日2回
C: トファシチニブ未投与Historical control
O: 6ヶ月後の全生存率
結果:
・トファシチニブ群18例、従来治療群32例を解析
・従来治療群でピルフェニドン使用率が高いことを除き、患者背景に大きな差はなかった
・トファシチニブ群は18/18(100%)、従来治療群は25/32(78%)が生存(p=0.04)
感想:
従来治療群の半分程度でシクロスポリンが使われているだけで、IVCYもほとんど併用されていないので、比較対象が京都大学などを始めとした一般的な日本のプラクティス(いわゆるIntensive regimen)とは大分異なっていることに注意が必要です。
LFTやFVCの除外基準により、重症例が組み込まれないデザインになっている点も、不自然に成績が良い理由の一つになっていると思います。
機序的な部分で考察すると、MDA5抗体陽性CADM-IPではType-I IFNが亢進しているようなので(Br J Dermatol. 2019 May;180(5):1090-1098.)、有用な選択肢になっていくのだとは思います。
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