ネガティブデータですが重要な示唆であり、しっかりとした試験デザインで有効性がほぼ否定的になったと考えてよいと思われます。現時点では治療選択肢からは外れるか、もしくはかなり順位が下がったと考えるのが妥当でしょう。
N Engl J Med. 2020 March 18
A Trial of Lopinavir–Ritonavir in Adults Hospitalized with Severe Covid-19.
- Design: Open-label RCT
- P: SaO2≤94% or P/F<300を満たすCOVID-19
- I: 標準治療+ロピナビル/リトナビル(1~14日目:400mg/100mg1日2回)
- C: 標準治療のみ 1:1割付
- O: 0-7点尺度で2ポイントの改善または退院(いずれか早い方)
結果
- 199名がエントリーし、99名がロピナビル/リトナビル群、100名が対照群に割り付けられた
- 臨床的改善率は、ロピナビル/リトナビル群と対照群で明確な差はなかった (HR 1.24、95%CI: 0.90-1.72)
- 28日死亡率は両群同等だった(19.2% vs 25.0%; 差−5.8% 95%CI: -17.3~+5.7)
- ICU入室期間中央値はロピナビル/リトナビル群で短かった (6日 vs 11日、差5日、95%CI: -9~0日)
- 投薬から退院まではロピナビル/リトナビル群で短かった (12日 vs 14日、差1日、95%CI: 0~3日)
- day14における臨床的改善率はロピナビル/リトナビル群で高かった (45.5% vs 30.0%; 差15.5% 95%CI: 2.2-28.8)
- 両群の咽頭スワブのviral loadは経過中に一貫して差がなかった
- 有害事象は、ロピナビル/リトナビル群で消化器症状が多く、標準治療群ではARDS、AKI、二次感染などのSAEが多かった
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