2020年3月23日月曜日

COVID-19に対するファビピラビルの有効性

Retrospectiveではありますが、ついにアビガン(R)のまとまったデータが中国から報告されました。
ただし相当に濃厚なSelection biasが入っていると考えます。解釈は慎重になる必要がありそうですが、有効手がない現状で最も期待が持てる薬剤の一つであるとは言えそうです。


Engineering. 2020 March 18
Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study.


  • Design: Open-label, One arm の症例対照研究
  • P: 16-75歳の発症7日以内のCOVID-19(除外基準:RR>30/min、SpO2<93%、P/F<300、ICU入室等の重症例)
  • I: ファビピラビル(初日1600mg 2回、600mg 2回 14日間)
  • C: ロピナビル/リトナビル(400mg/100mg、1日2回 14日間) Historicalに登録
  • O: 胸部CT所見の変化、ウィルス除去までの期間、安全性
  • ※ 両群ともインターフェロンα吸入(500万単位1日2回)が併用された


結果


  • 56症例からファビピラビル群に35例、 91症例からロピナビル/リトナビル群に45例が登録された
  • ファビピラビル群のウイルス排泄期間は、対照群と比較して有意に短かった (中央値4日 IQR 2.5–9 v.s. 11日 IQR 8–13, p<0.001)
  • ファビピラビル群のCT所見は、day4, 8では有意差無し、day14では有意に改善した(改善率91.43% vs 62.22%, p=0.004)
  • 多変量ロジスティック回帰分析で胸部CTの改善と関連する因子は、ファビピラビル投与 (OR 3.190, 95%CI: 1.041–9.78)、発熱 (OR 3.622, 95%CI: 1.054–12.442)だった
  • 多変量COX比例ハザードモデルでviral clearanceと関連する因子は、T細胞数 (HR 1.002, 95%CI: 1.000–1.005)、ファビピラビル投与 (HR 3.434, 95%CI: 1.162–10.148)だった
  • 有害事象はファビピラビル群で有意に少なかった (11.43% vs 55.56%, p<0.001)

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