2020年3月4日水曜日

免疫チェックポイント阻害剤による炎症性関節炎

免疫チェックポイント阻害剤(ICI)による炎症性関節炎の前向き観察研究です。
腫瘍内科医、リウマチ医、いずれにとっても好ましい結果が得られていると思われ(それがバイアスの可能性がありますが)、とりあえず治療のプラクティスは変える必要がなさそうですね。


Immune checkpoint inhibitor-induced inflammatory arthritis persists after immunotherapy cessation.
Ann Rheum Dis. 2020 Mar;79(3):332-338.

デザイン


  • 前向き観察研究


方法


  • 対象はICI関連炎症性関節炎で、元々リウマチ性自己免疫疾患がある患者は除外
  • 関節炎持続に関する因子をCOX比例ハザードモデルを用いて解析
  • 関節炎治療の腫瘍反応性に対する影響をロジスティック回帰分析で解析


結果


  • 60人の患者を登録し、ICI中止後の追跡期間中央値は9ヶ月だった
  • 血清反応陰性関節炎が大半だった(RF 1.8%, CCP 5.5%, ANA 14.3%)
  • 最終観察時点において53.3%の患者で活動性関節炎が持続していた
  • 関節炎の持続は、複数のICIで治療していること、他のirAEの存在、腫瘍反応性が良好であることと関連していた
  • 関節炎治療薬の選択(ステロイド、csDMARD、Biologics、NSAIDs)による腫瘍反応性の低下との関連は見いだせなかった

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